工房に調整でいらしたお客様が、ある銘のある高価な古い弓を弾く機会があったそうなのです。

 その感想を(ちょっと省略しますが)、おおよそこのように述べられました。

「竿がフニャフニャで、弾きたいと思う操作ができなかった。」
「なぜこう言うのがプロの間で良いとされているのか?」
「以前の自分なら良いと思ったのかもしれませんが、今はそうではないということが明確に判ります。」

 特に重要なのは3番目の感想です。

 そのお客様が、私の工房を訪ねる努力をし、私の説明を聞き納得して弓を購入し、そしてその後も私との縁を深めることで、以前の自分の殻を破って、新たな視点を得ることが出来た証拠なのです。

 私が凄いのではなくて、お客様ご自身の努力、好奇心、練習の結果の感覚(視点)です。私はそのお手伝いをしているだけなのです。

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