先日「弦楽器製作工程BD」を購入してくださった方から、感想メールを頂いたのですが、その中で「BGMが無い事」を評価してくださりました。

 高度経済成長以降の日本、すなわち豊かになった日本では、物が多ければ多いほど良いとされました。贈答品でも、過剰包装が良いとされ、様々な物で溢れかえっています。

 音に関しても同じです。エスカレータでは「脚下にお気を付け」とかのアナウンスがエンドレスで流れています。駅のホームでも警告音、注意音で溢れかえって、逆に何に注意すべきなのか判らなくなっています。

 飲食店に入っても、余計なBGMを無理やり聞かされます。

 テレビ番組を観ても、強引な字幕表現(漫画のような)とか、飲食シーンでは「ガブッ」とかいう効果音が付いたりします。番組製作者はそれを表現力だと勘違いしているのです。

 もっと言えば、番組を観る視聴者側を見下しているのです。

 最近のYouTubeでも悪しきテレビ番組の伝統を受け継ぐように、意味の無いBGMをずっと流し続けている動画ばかりです。

 日本でも、「(あえて)無い」という事への評価をすべき時代に入っているのです。

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