特に最近(ここ10年)感じる事ですが、楽器や弓を購入した後に、ネットで検索して良い調整店を探し回る人が多いと感じます。
おそらく、楽器購入後に不満点を感じ始めて、そこでようやく楽器の本格的な調整の必要性を感じるのでしょう。または、さらに楽器を良くしたいという欲求が出るのでしょう。
もちろん、楽器の調整をする事は良いことです。
問題なのは、程度の低い楽器や弓(ラベルとか価格ではないのです)を購入してしまった後に、それを調整ではどうにもならないという事なのです。特に購入したのがつい最近の場合には、楽器や弓の買い替えのアドバイスさえ出来ません。
全ての方は、自分で試奏して良いと思ったから購入しています。だから自分の楽器や弓のクオリティに大きな自信を持っています。特に演奏が上手な人ほど自信を持っています。
しかし自分で感じた感覚と、技術的な根拠とは全く異なるのです。自分の感覚なんて、なんの根拠も無いのです。その証拠に、本当に性能の高い楽器や弓に買い替えた方(その中にはプロの演奏者もいらっしゃいます)が、後日「そういう事だったのですね・・・」って感想を述べられることは珍しいことでは無いのです。
それでは、どこで楽器や弓を購入すべきなのか?
それは今後長らくお世話になりたいと思う楽器店なり工房で、相談して、紹介してもらって購入し、そしてその後そこで調整を続けてください。それが一番確実な方法なのです。
関連記事:
- 私の工房で楽器や弓を購入した人が喜んでくれると嬉しい
- 楽器や弓は、最初から良い物を購入してください
- オークション等で購入した楽器の調整はお断りします
- 楽器や弓は、最初から無理をしてでも出来るだけ良い物を購入した方が絶対に良いです
- 良い楽器や弓って、自分の世界観をかえてくれます