最近の問い合わせの傾向は、「いくらの物がありますか?」とか「いくら(まで)の弓を探しています」とか、「在庫がありますか?」とか、「何という製作者の弓ですか?」とか、そんなのばっかりです。

 要するに、自分でネットなどから情報を仕入れて、その前提のもと、手っ取り早く在庫を探しているという感じなのです。もちろん本人は真剣ですし、色々と考えたうえでの行動であるということは理解しています。

 しかし、私は言いたいです。

 「あなたにとっての最善の良い物って、いくらですか?」って。

 さらに言いたいです。「”本当に”良い楽器や弓を体験した上で(知った上で)、探していますか? 予算を考えましたか?」

 ご自分で何となくご予算を決める方って、ネットとかの適当な情報をもとに「このくらい」って予算を立てています。もちろん自分の預金の額とかも考えていることでしょう。

 しかし、それが将来のあなたにとって、最善の予算なのでしょうか? またはネット上で有名な製作者の楽器や弓が、本当に良いと思っているのでしょうか? この業界、そんなに単純なものではないのに。

 

 私が以前からお勧めしているのは、まずは(探しているという前提に)相談にいらしてくださいとう事なのです。そこで色々な話を聞いたり、または楽器や弓を試奏したりして、「何が将来の自分にとっての最善なのか?」を専門家のアドバイスをもとにまとめていくという行為なのです。自分の脚で縁をつくるのです。たぐり寄せるのです。

 その中で、良い楽器への憧れができたり、自分の考えが変わったり、または大まかな目標額ができたりします。

 ご自分の予算が少ない場合には、今回は保留にする場合もあります。またそれとは逆に、銀行から融資をうける方もいらっしゃいます。何が正解かは人それぞれです。しかし自分で勝手に考えた物と、専門家の的確なアドバイスもので話し合って考えるものが同じわけがないのです。

 多くの方は、我々業者は詐欺師のように、信用おけない者だと思っているでしょう。高価な楽器や弓を売りつけるために、まるで蜘蛛の巣のような罠を貼って待ち受けていると勘ぐっていることでしょう。

 私がそのような人間かどうかも含めて、まずは相談にいらしてください。もちろん冷やかしの方はお断りします。しかし真の意味での良い楽器や良い弓を探していらっしゃる方には、私は自分のこれまでの技術者としてのプライドをかけて真摯に対応いたします。

 私は「今のあたな」にではなく、「将来のあなたに」とってベストな楽器や弓の紹介をさせて頂きます。10~20年経ったときに、「あの時佐々木さんを信用して購入して良かった」と言われるのが、私の喜びです。

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