「弦楽器のしくみとメンテナンス」が出版されてから、もう何年経ったことでしょう。あの頃の私はまだ若くて、この業界の間違った感が方、または誤解を修正していこうと一所懸命でした。
自分が書いた文書や図形を本にして出版する事なんて、全て初めての体験でした。しかし実は著書の内容(文章と図形、写真)の全ては、それまでに自分が自分のホームページだとか、自分でプリントアウトして冊子として実費配布していたものだったので、それが体裁の良い本として生まれ変わっただけで、私には何の感動もありませんでした。
その中で、「意外」って感じで、今でもはっきり覚えている言葉があります。
それは著書「弦楽器のしくみとメンテナンス」のちょっとした書評があったのが、そこで次の二点に付いて書かれていました(それ以外も書かれていたのかもしれませんが、覚えているのはこの二点です)。
1.「・・著者は文章を一人称で書いている」
2.「・・著者は判らない事を、判らないと正直に書いているのが好感が持てる」
正確ではありませんが、このような書評でした(それ以外の事は忘れてしまいました)。
1.に関しては、意図的です。私は「筆者は・・」みたいな、すかした書き方が元々嫌いだからです。この出版業界ではそちらの方が正しいのかもしれませんが。
2.に関して、私は驚きました。判らないことを「判らない」って書いて褒められるなんて、「何でそんな当たり前の事を?」って。逆に、他の方々は完璧な内容の本を書いているの?って感じでした。
今でも覚えているくらい、意外だったのです。
この「知らない」、「判らない」って、60歳を過ぎてベテランの域(「老害」との非難メールを受ける事もあります)に達した今でも、たくさん持っています。だからそれが私の活力になっているのです。
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