最近のポータブルレコーダーの音はとても良く、プロの演奏家達やアマチュア演奏者達もポータブルレコーダーで録音している光景をよく目にします。

 悪くはありません。ただ、本格的な音とはちょっと違うのです。ポータブルレコーダーの音の価値観で、せっかくのご自身の演奏を判断してしまうのは勿体ないと思うのです。

 さて、ごくごく簡単な実験ではありますが、工房で次の3つのマイクロフォンの音を比較してみました。最初は私の声、そしてヴァイオリンの調弦の音が録音されています。

1.ポータブルレコーダー ZOOM H6

 

2.DPA 4011A(単一指向性マイクロフォン)A-Bマイキング

 

3.SCHOEPS CMC5+MK5(単一指向性セッティング) A-Bマイキング

 

 この音源を何で再生するかによっても感じ方は変わると思いますが、私の感想としては、ZOOM H6の音は帯域が狭くて、音が固く感じます。またマイクの形のせいなのかステレオ感も低く感じました。

 一方、DPAとSCHOEPSのマイクの音はZOOMと比べると柔らかく感じます。しかしDPAとSCHOEPSのマイクの音は決して柔らかな特性ではなく、どちらかというとフラットでシャープな周波数特性のマイクです。帯域が自然に広いと、ソフト(地味)に感じるものなのです。

 これはヴァイオリン自体の音も同じです。性能が高い楽器の音ほど、周波数帯域は広いのに(ちゃんと音が出ているのに)音が柔らかく感じるものなのです。

 いずれにせよ、普段ポータブルレコーダーで録音されている方は、本格的な録音にチャレンジしてみてください。そこには今までとは別の音の価値観がありますから。手間とお金を掛けただけの差は、確実に存在しますよ。

関連記事: