「Windowsではカラーマネジメント(色調整・管理)は不可能で、Macでは完璧!」 これは間違いです。もうかなり前の価値観です。Windowsでもカラーマネジメントに対応したソフトを使い、きちんとキャリブレートをして使えば業務用のカラー品質を確保できます(実際にそうして使っている業者も多いです)。
 その逆に、「Macなら何もしないでもOK」と思っている人が未だに多いのも事実です。Macがカラーマネジメントに一日の長があることは間違いないのですが、そのMacでさえきちんとしたキャリブレートをしなければ正確なカラーマネジメントは不可能です。こちらも実際、Mac+お金と手間をかけたキャリブレートをして運用している業者はたくさんあります。
 要するに、WindowsであれMacであれ、カラーマネジメントは大変で、手間もお金もかかるのです。最近は本格的なカラーマネジメントツールセット(例i1 Extreme)が随分安くなってきましたが、それでも20~30万円はかかります。もちろんホームユースではもう少しお手頃のツールもありますが、それでも数万円はします。
 この手の「お金と手間がかかる方法」の話題はあまり好まれないことも知っていますが、結局はそれが一番の近道であり、また結果的に安上がりでもあるのです。これは楽器や弓などと一緒ですね。
 「カラーマネジメント」ついでに、お金をかけないで身近な部分の「カラーマネジメント」ができるのは、インターネットブラウザです。特にWindowsのIEはカラーマネジメントを無視したソフトで、こと「色」に関してはいただけません。
 そこでお勧めなのはフリーブラウザソフトのFirefox3です。このブラウザソフトはカラーマネジメントに対応しているのです。インストールすることで変な広告が入ることもありませんし、これまで使っていたIE環境が乱れることもありません。
 但し注意が必要で、初期設定ではカラーマネジメント機能がOFFになっているのです。ちょっとだけ面倒ですがON(True)に設定しなおさなければなりません。
1. Firefox3を起動
2. 上段のURLを入力するスペースに「about:config」と入力してエンターキーを押す。
3. 色々な設定一覧が表示される。
4. gfx.color_management.enabled を見つけて、そこの「false」をダブルクリックして「true」に設定。
5. Firefox3を再起動すると有効になる。
6. カラーマネジメント機能がきちんと機能しているかどうかは、有名なこのHP中の3つの花の写真の色を見比べてみてください。3つの花の写真が同じ色に見えるのなら、ブラウザのカラーマネジメントが正確に機能しているということです。
 なぜインターネットブラウザごときのカラーメネジメント(色合わせ)にそんなにムキになるかというと・・
1. 年々インターネットを利用する機会が増えている事と思います。インターネット上で「色」に係わる重要なやりとり(ショッピング、会話、会議・・・)をすることも増えています。
2. 液晶モニタの性能向上がめざましく色域が大きくなり、これまでのインターネット上での常識(=全ての人がsRGBモニタを使って見ている)から外れてきています。
 皆さんも一度試してみては?

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