これまでにも私は「内視鏡による楽器内部の撮影」を試みてきました。そしてそのようにして撮影した楽器内部の写真を、後日(修理後)に所有者にお見せして説明することはあったのですが、その方法では「リアルタイムでの観察・説明ができない」という欠点があったのです。
そこで「ビデオスコープ」の導入を検討していたのですが、まともに使えそうな機種は驚くほど(検討するのも論外なくらい)の価格でした。ところが少し前に手頃な中古品の「Olympus社製工業用ビデオスコープ “IPLEX MX”」を入手することができたので、その活用方法を試行錯誤していたところでした。
昨日、ある方が「楽器内部の割れの状態」についての不安から工房にいらっしゃったのです。そこで早速、導入したビデオスコープで楽器の内部を撮影して、その映像を見ながらお客さまと会話しながら修理・調整の話を進めました。
その方は自分の楽器の内部を見るのも初めてでとても驚いていましたが、「百聞は一見にしかず」で、私の説明にも納得していただけたようです。