昨日、弟子の川口君とのふとした会話の流から、工房の小さな窓の話になりました。この小さな窓は、私が狭小住宅+工房建築を計画する上で、様々なことを検討して実行した結果なのです。
そして現在、それで「正しかった」と満足しています。
余計なお節介とは思いますが、私が新築計画をしている方、特に都市部の狭小住宅を計画している方に少しだけアドバイスするとしたら次の事をお勧めします。
・窓は小さく
大きな窓に憧れるものですが、窓が大きいとその壁面の有効利用ができません。また大きな窓では冷暖房効率、防音性能が劣ってしまいます。
・窓ガラスには曇りガラス
モデルハウスでは、ほぼ透明のガラスが使われています。広々とした雰囲気を感じるので、ついつい憧れてしまうのです。しかし実際に生活を始めたら、近隣との視線を感じて、カーテンやブラインドで締め切るのが関の山です。絶対に、最初から曇りガラスを入れるべきです。
・コンセントはバカみたいに多めに
私の家には、バカみたいにコンセントを多く設置しました。電気工事の人にも、こんなに多いのは初めてだと言われました。しかし今現在、多すぎたと思ったことは一度もありません。
・階段下も塞がないで、有効活用
通常階段下は化粧板で塞いでしまうものです。しかし狭小住宅では、階段下も化粧しないで、少しでも有効活用すべきです。
・奥行きが小さくてもよいので、ベランダがあったほうがよい
私の家は旭化成のヘーベルハウスにお願いしました。もともと狭小地建設に積極的だったからです。しかしそれでも、「ベランダ奥行きは90cm規格なので、もしどうしてもベランダを付けたかったら家自体を小さくしなければならない」と言われたのです。しかし私は設計士にお願いして、2/3奥行き(60cm幅)のベランダを特別に作って貰いました。「最初は、こんな小さなベランダを作っても・・」みたいなことを言われましたが、有ると無いとでは便利さが全く違います。
建築後の後日談ですが、旭化成が、狭小モデルとして我が家の外観を見学させに来ていました。
そんな新築計画の苦労も、もう16年前の事です。現在は新築当初からのメンテナンス計画だった、大規模な外壁塗装工事中です。時間が経つのは早いです。