基本的に分数楽器(特に1/2以下)の弓の性能は、それほど神経質になる必要はありません。というのは、分数楽器の弓は弓竿が短く、それに対して太いために、弓竿の素材としての性能がほどほどでも、それなりに使えるからです。

 ただそれでも、ある程度の性能は必要です。事実、つい先日のことですが、私の工房のお客様がご自分のお子さんがヴァイオリンを習い始めるということで、家にあったものか、またはどなたかから借りた物なのか、1/10サイズの調整に持ってきたのですが、弓の性能が低すぎて、結局私の工房で弓をお貸しすることになりました。

 その方は以前に私の工房で良い弓を購入していたので、弓の性能の重要性がわかっているので、例え1/10の分数弓でも、「これは無理」と直ぐに感じたのでしょう。

 ちなみに分数弓にも次のようも分類されます。
1. 性能的に使えない弓。作りも酷い、超安物弓がほとんどです。
2. 一般的な、量産弓。小さい分数楽器の場合には、通常、これで十分です。
3. 30万~100万円もするような、高級、高性能な弓。

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