先日、あるお客様が、ネックが折れてしまって、さらにあちこちが剥がれてしまっている酷い状態のチェロを、深刻な顔をして持ってこられました。このお客様、実は10年以上前に一度、私の工房で調整をされた方でした。
それ以降、私の工房には一度もいらしたことがなかったのです。「何でこんな状態になるまで、私の工房にいらっしゃらなかったのか?」と尋ねても、忙しかったとか、色々言い訳ばかり。
もちろん、それぞれの方で色々なご事情があるのは理解できます。
しかしこれだけは言い切れます。
定期的に工房にいらして調整を継続していないと、結果的に高く付きますよ。
どうしても、演奏の機会が無いときに、定期的に楽器にお金をかけるは勿体ない気がするものです。または、人によっては、「楽器の状態が酷くて、ケースを開けるのが怖い」と思っていらっしゃる方も多いです。しかし、だからといって、放っておいては、状況は悪化する一方です。そして、結果的に高く付いてしまうのです。
最近調整に出していないなあと思われる方は、直ぐに調整に出して、最低限の点検とメンテナンスは行いましょう。絶対に損はしませんから。いや、損はさせませんから。
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