先日私のブログで、
 実際に工房で直接会って、実物の楽器を目の前にして、直接演奏したり、直接音を出したりしながらの『会話』の情報量は、ネット上の会話よりも100倍も(数値的な根拠はありませんが)違うのです。
と書きました。これは決して大げさな話ではないのです。
 例えば先日にも、「・・・省略・・・ 本当にいい弓とは何かということをしっかりとご説明くださった上でのよい弓の試奏,目から鱗がボロボロと落ちました。・・・以下省略」というお礼のメールを頂きました。何もこのメールの文章は、ブログの記事を書くために特別選び出して大げさに掲載しているわけではなく、つい先日にいらしたお客様のお礼のメールなのです。よく頂く内容の感想です。
 何が言いたいかと申しますと、私はこれまでにずっと継続して、ホームページやブログなどで説明を繰り返しています。ところが、私の工房を訪ねて説明を受けたり、会話をしたりしたかたの多くが、「そのようなことは初めて聞いた」とか「目から鱗が・・」と言うのです。
 先日のお客様もそうなのですが、私の工房のお客様のほとんどの方は(一般にアマチュア演奏者は)頭の良い方です。すなわち、読解力があったり、理解力があったり、学問的な素養があったりする方々なのです。ところが、その方々も、インターネットで色々検索したり調べたりしているのですが(私のホームページも含めて)、ほとんど「理解」をしていないということです。
 それがインターネットというものです。ネットでは、自分の理解していない事柄や、自分を否定するようなもの、さらに具体的な感覚は、表示されないからです。基本的に自分自身の「同意」や「都合の良い情報」だけが表示されます。
 インターネットを全否定するわけではありません。事実私もこうして利用しています。しかし、「本物」「本質」を知りたければ、「インターネットの向こうからは得られない」という事だけは理解すべきでしょう。

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