個々の話しでは無く、一般的、平均的な話しですが、音大の低レベル化が指摘されてもう10年以上経ちます。

 私は演奏技術の専門的な事は判りませんが、しかし楽器や弓、そしてそれに対する意識に関して、明らかにレベル低下を感じます。

 もちろんバブルの頃のような、狂ったかのような売買は論外としても、それにしても道具への意識が低いのです。

 これは楽器だけの話ではありません。例えば、カメラとか、オーディオとか、車だって、家電だって同じ傾向です。品質よりも、「そこそこ使えれば、それで十分じゃない?」っていう意識です。「安かろう悪かろう」までは行かないとしても、そんな感じなのです。「100均価値観」とでも言う感じです。

 我々職人も同じです。道具に拘らない、道具にお金をかけない若い人が増えているように感じます。そういう人に限って、楽器への能書きは人一倍なのです。

 プロを目指すのだったら、道具に拘らなければなりません。それはすなわち、お金をかけなければならないのです。すなわち、自分(または自分のお子さん)への投資です。お金をかけないで(肥料を与えないで)、実が実ることはありません。

 「だって、お金が無いんだもの」では、そこで終わってしまうのです。せっかくの努力がもったいないです。

注意:だからといって、見当外れの「ラベル」のはなしではありませんので、ご注意ください。

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