時々、あちこちの楽器店で弓の毛替えをしている人がいます。色々な楽器店を探るために、毛替えで「お試し」しているような人もいますし、急な毛替えが必要になって、仕方なしに近所の楽器店にて毛替えを行う人もいます。
ただ、あちこちの楽器店で毛替えを行っていると、弓が傷むのです。
その理由は、楽器店によって毛替えの作業方法や、考え方が全く違うからです。だから以前に行われている他店での作業を修正することから、作業を開始するのです。「修正」とは「加工」とも言えます。だから、そんな「修正」を何度も繰り返している内に、弓は傷んでしまうのです。
同じ工房で、一貫して同じ作業を繰り返して、「変化」を可能な限り起こさないことが大切なのです。
だから忙しくても、多少無理をしてでも、普段から行きつけの楽器店や工房に通って、一貫した毛替え作業を行うようにしてください。
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