昨日、8日間ほぼかかりっきりだったヴィオラの全調整が終わり、お客様にお渡ししました。「全然違う」と喜んでもらえて、ホッとしたばかりのところです。

 ほとんどの方は、楽器を購入した時点で、その楽器の性能は保障されていると思い込んでいます。もちろん全ての販売店は「完璧な調整もしています!」と言って販売していると思います。

 しかし、その「調整」の技術力は様々なのです。だから、私が全調整(良い弓の購入が前提になることがほとんどです)を行うと、皆さん、「自分の楽器ってこんな音がするのですね!」と驚くのです。

 それでは、その「調整」の秘密って何か? それは操作によって生じる各所の物理特性のベクトルを、可能な限り合わせる努力です。このためには、「音響の仕組み」が判っていなければ不可能です。高級部品を付ければ良いという単純なものではないのです。
 口で言うのは簡単ですが、それぞれの仕組みと加工技術とその効果を具体的に理解できていなければ、想像することさえ不可能なのです。そこのところが私の主張する「技術」です。これは居心地よく、そして受けの良い「楽器のラベルのとかの能書き論」とは全く別の内容なのです。

 この事に関しては私のマイスターのQ&Aにてかなり前に書いていますので、このイメージ図をなんとなく目にしている方も多いのではないでしょうか?

関連記事: