私はこの仕事を勉強し始めた当初から(東京ヴァイオリン製作学校で勉強中)、個人的に(無量塔親方の協力を受けながら)ヴァイオリンの音響研究をしてきました。
最初は、当時流行していた「ハッチンスの響板の共鳴モード」の製作理論(?)から探り出して、その後、10K~+20KHzの高倍音の影響力の方へと注目点が高くなっていきました。
しかし、さらに色々と調べる内に、その注目点はどんどん下がってきたのです。
最近は、ヴァイオリンという演奏するための楽器において重要な周波数帯は、意外と低くて、20Hz~2KHz位の音響性能、さらに極論すれば注目するポイントは50Hz~800Hzくらいの音響性能がポイントになるのではないかと考えているのです。
こんな事を試行錯誤して、実際の楽器製作や調整に役立つのかとというと、「もちろん大あり」です。音を感覚的に調整をする事は不可能ですから。かならず、目的がはっきりしていなければ、実際の効果的な調整(または音の作り上げ)は不可能です。
補足:もちろん、本当に重要な周波数帯域は「全て」なのですが。