少し前に私の工房でお売りしたヴァイオリンの話ですが、結果的に購入した方が所有している楽器との音の出方があまりにも対照的で、興味深かったです。

 その方所有のヴァイオリンは、耳元でとても大きな音がするのですが、2~3m離れて聴くと意外と音が小さいのです。一方、私がお売りしたヴァイオリンは、弾いているときには何か物足りなささえ感じるのに、しかし離れて聴くととても大きな音がして、さらに余韻があるのです。

 この違いはどこにあるのかというと、「楽器の作り」そのものにあります。何のことはない、技術的な問題なのです。

関連記事: