良い楽器の音の特徴

　私の工房にてお売りした楽器はそれぞれの特徴がありますが、共通して言えるのは、楽器の音の特徴なのです。逆の事も言えて、私が拘っている「良い音」、「良い楽器」とは、弦の発音の音の下に、楽器の豊かな響きがきちんと出ている楽器なのです。これはヴァイオリンからチェロまで共通です。

　弦を、発音した瞬間、胴体が瞬時に反応してポンッという響きを発する楽器です。レスポンスが良いとも言えますし、籠もっていないとも言えます。

　これは私積極的に発信している、オイストラフだとかコーガンとかのレコードの音からも、そのニュアンスは感じていただけると思います。目を閉じて聴いているときに、楽器の胴体を感じるような音で、しかも音階が見えてくるような音なのです。

　大げさに聞こえるかもしれませんが、楽器の方が演奏を導いてくれるような感覚なのです。

　まあ、こればかりはいくら良いオーディオ装置で高音質なレコードだけを聴いたとしても、実際の「良い楽器」を実際に弾いてみる体験をしてみなけれあ、絶対に理解できないと思いますが。

　私の工房にて、楽器（例えばカントゥーシャ作の楽器とか）を購入された方は、工房にてレコードの音を聴いてもらって良い楽器の音の特徴を説明すると、「なるほど、確かに」と理解していただけます。