先日にもオイストラフ演奏のベートーヴェン作曲ヴァイオリン・ソナタ「春」のほぼ同じレコードを何枚も買い集めて聴き比べたという事を書きました。それぞれのレコードで音が微妙に違うのです。大きく分類すると、同じ録音なのですが2種類の音質の傾向が存在します。
さらに、所有していたCDの音とも聴き比べましたが、レコードの音の方が確実に情報量が上でした。
それで、極めつきの音質は何なのか?という事を知りたくて、数年前に限定発売されたSACDシングルレイヤー盤を購入しました。新品在庫品を購入したのですがプレミアム価格がついて、発売当初の価格よりもさらに高くなっていました。
限定版で、さらにSACDシングルレイヤー盤とくれば、期待値マックスです!
ところが、結果的に大外れ!私が所有していたCDよりも音が悪かったです。おそらく、マスターとしたレコードの音が悪かったのと、通常のアナログレコードプレーヤーで再生してSACDのマスター音にしたと思われ、音の分解能が低いのです。音が詰まっていて、さらに籠もっています。
このSACDはお勧めしません。どちらかと言えばCDの方がお勧めです。このSACDだけに限りませんが、高音質をうたって再販されたSACDの音が良いという保証は一切ありません。
オイストラフのベートヴェン作曲ヴァイオリン・ソナタの本当の音を知りたければ、レコードの音をELPレーザーターンテーブルで再生しなければ、評価できません。特に一番下で紹介したSACDの音は、参考程度とすべきでしょう。
関連記事:
- オイストラフのベートーヴェンVn協奏曲のレコードとSACDを聴き比べる
- ホリガーのオーボエの音色
- フルニエのレコードの音 (~カザルスとの比較)
- オイストラフ演奏の「春」ソナタを、もう20枚近く購入したでしょうか
- オイストラフ演奏のブルッフ