よく、会話の中で、「これが人生最後の楽器(または弓)になるだろうから」という事を言う人がいます。

 そんな考えをしていたら、ろくな事にならない(繋がらない)ですよ。そんな考えでは、まるで「人生をかけた究極の選択」みたいな緊張感になってしまいます。そんな緊張感下で、まともな判断力が生まれますか? って。

 例えば、「人生最後の楽器」となると、結局は無難な方を選択します。例えば、有名なラベルのものとか、知名度の高い国の製作楽器とか、価格が高い物とか。いわゆる「保険」をかけてしまうのです。

 またその反対の事も多いです。「人生最後」という緊張感で判断力を失ってしまい、チャンスをみすみす逃してしまうことです。迷っている内に、縁は遠のくものなのです。

 他人事のように聞こえるかもしれませんが、楽器や弓の購入で死ぬわけではないので、もうすこし気楽に考えるべきです。事実、「人生最後の車の購入」で、そこまで迷ったりはしませんよね?

 それに、「人生の残り時間」、短いことは確かですが、短いなりに濃密で、そういった意味ではこれから先はまだまだ長いですよ。だから、購入だって「最後」である必要さえ無いのです。

 もっとお気楽に。たかだか音楽の話なのですから。

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