良い調整をするとか、または良い楽器で演奏すると、どう違うのでしょうか?
もちろん、音が違うのです。
しかし、「音って各人の好みでしょう? それだったら、どんな調整であっても、どんな楽器であっても、自分さえ満足していればそれで良いのでは?」と思われている方も、多いのではないでしょうか?
そう言い切る人に、私はその人の首根っこをつかまえて、「いや、そうではないのです!」と説明するつもりはありません。好きなようにすれば良いでしょう。
さて、「良い調整」または「良い楽器」とはどんな感じなのか?
例えば一般の自転車を例にとってみましょう。「ママチャリ」です。
多くの方はママチャリをほとんど手入れをしないで乗り続けています。そして、それに対して何ら不具合も感じていないことでしょう。チェーンに油も差さず、ガチャガチャ音を立てながら走っている自転車は沢山あります。さらにタイヤの空気も抜けかけているママチャリも多いです。
そんな状態なのに、不満は無いのです。
何が言いたいのかというと、「不満が無い」という事が、状態が良い良いと言うことを指し示しているということでは無いと言うことなのです。それはただ単に「無知」なだけなのです。
その証拠に、自転車のチェーンに油を差したり、タイヤに適切な空気を入れてみてください。驚くほど、自転車は軽く動きますから。
すなわち、調整をしていない自転車を漕ぐという行為は、重い鉄の塊を苦労して運んでいたという、無駄な努力をしていただけなのです。しかし、無知だと、自分が快適に、効率的に自転車を漕いでいると勘違いします。
これを楽器に置き換えてみます。きちんとした調整をしたり、または構造的に良い楽器(ラベルのはなしではありません)を使うと、苦労なく(少なく)演奏することが出来るのです。そして、そこから出た音が「良い音」なのです。
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