何を今更、とおっしゃる方は多いと思いますが(その通りなのですが)、オイストラフって、聴けば聴くほど凄いという感想しか出てきません。

 これまでに何度も書いていることですが、私はちょっと昔の巨匠達の事を拒絶していました。なぜなら、演奏家に詳しいちょっと年輩の方々は、口を開けば「オイストラフを実際に聴いたが・・、それに比べて今の演奏家は個性が無い」とか、必ず言ったのです。「オイストラフ」だけでなく、「ハイフェッツ」、「メニューイン」、「コーガン」等々もですが。

 だからちょっと、拒絶していたのです。

 録音品質が劣っていると思い込んでいたのも、聴かなかった理由のひとつです。

 しかし、最近ELPレーザーターンテーブルで当時のレコードを再生すると、まるで宝石箱を開けたような、素晴らしい音が飛び出てくるのを知ったのです。だから、昔の巨匠達の音を、ある意味、始めて新鮮な気持ちで聴いているのです。

 そんなわけでオイストラフの演奏に驚き、コーガンにも感動しました。そして、別な巨匠達を聴こうとハイフェッツやメニューインのレコードをいくつか購入して聴きました。

 ところが、もちろん素晴らしいのは間違いないのですが、私の感想では、ヴァイオリン演奏のレベルは「オイストラフ以前か、以降か」という感じだと思います。ハイフェッツやメニューインのファンの方には申し訳ありませんが。そのくらい当時のソ連のヴァイオリン(弦楽器)演奏レベルは高かったのです。

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