ELPレーザーターンテーブルでレコードを再生するときに必須なのは、レコードクリーニングです。再生する度に毎回行うわけではありませんが、時々はバキュームクリーニングは行うべきです。古いレコードは大小のホコリはもちろん、タバコのヤニで汚れている場合も多いのです。

 さて、私が色々と試行錯誤して、私なりのクリーニング方法が確立してきました。今回は、その中でももっとも丁寧な「フスコース」方法を紹介します。

  1. 超音波洗浄機で洗浄。
     まずはレコードレーベル部分に防水カバーを取り付けます。
     レーベルカバーのネジ部分を持って、ヤスリ等の超音波洗浄用に購入した、業務用の2波長の超音波洗浄機にレコードを縦に入れて(水は水道水を利用)、手動でゆっくり回転させながらレコードを洗浄します。洗浄時間は2~3分間くらいです。

  2. エアブロアで水を吹き払う。
    エアコンプレッサーのブロアを使って、大まかに水を切ります。

  3. キムワイプ等の毛羽立たない紙で、盤面の水を軽く拭き取る。
    次の工程のバキュームクリーニングのターンテーブルが濡れない程度に、盤面の水を拭き取ります。

  4. 除電ブロアを起動する
    Keyence SJ-300除電ブロアを起動して、レコード盤面に静電気が付かないような風を流します。この除電ブロアの効果はとても大きいです(特に乾燥時期)。

  5. バキュームクリーナーでクリーニング。
    ・バキュームクリーナーにレコードをセットして、ネジで固定します。次に、レコードクリーニング洗浄液をたっぷり掛けて、ベルベットクリーナーなどを利用して盤面全体に伸ばします。
    ・盤面の溝の奥に付着した目に見えないホコリを、自作の歯ブラシを利用した極細ブラシで浮かせます。
    ・バキュームで洗浄液ごとホコリを吸い上げます。
    ・最後に静電気が付きにくいタイプの洗浄液を少量振りかけて、同様の作業を行います。
    ・裏面も同じ作業を行います。

  6. 洗浄液
     洗浄液には、「洗浄用」と「仕上げ用」の2種類を使っています。
     「洗浄用」の液はIPA+精製水+オヤッグクリーニング液(少量)+ドライウェル(微量)を使っています。「仕上げ用」には、ELP社のクリーニング液を使っています。

  7.  バキュームクリーナーに固定しているレコードに向けて、除電ブロアの風を当てながら、バキュームクリーナーのターンテーブルからレコードを外して、取り上げます。最後に除電クリーナーの風を軽く当てて、クリーニング完了です。

  8. ホコリが付かない内に、素早くELPレーザーターンテーブルに入れて再生すると、蘇ったような素晴らし音になるのを確認できます。ちなみに、毎度このようなフルコースのクリーニングを行うわけではありません。通常行うクリーニング作業は4.以降の作業です。

  9. クリーニングしたレコードの収納には、静電気の付きにくい紙製の収納袋を利用しています。

 ここまでの事をしてようやく、「レコードの音質とは?」、「オイストラフの音とは?」と言えるようになるのです。
 ちなみに、超音波洗浄の有無でどれくらいの効果の差があるのか?という確認はまだ未検証です。ただ、原理的には何らかのプラス効果はあるはずです(マイナス効果は無いと思います)。

後日追記:バキュームクリーナの効果

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