先日、私の工房のお客様のヴァイオリニストが指導されているという、ある弦楽アンサンブルの演奏会を聴きに行ってきました。
そのヴァイオリニストがコンミスで、それ以外の奏者は皆アマチュアの演奏者だったと思います。小さな楽団だけに、皆さんがきちんと音を出していて(一人一人から演奏する自覚を感じられました)、感心しました。
ただ、当たり前と言えば当たり前なのですが、私の工房のお客様のプロの演奏と、それ以外のアマチュアの演奏との差が、想像以上にあって、それはそれで、研究目的として、とても興味深く感じました。
何がそんなに違ったのか? というと、音はもちろん違いました。コンミスの音だけが、「立っている」のです。かすれていないのです。だから音が通るのです。これは音色だけの話ではなく、音の立ち上がりとか、音量とか、音程とか、さまざまな要因が含まれています。
「見た目」的に違いを感じたのは、コンミスと、それ以外の奏者との「運動」の違いです。
コンミスの運動は無駄がないのです。弓の動き始めに余計な運動がないので、弓の動き始めがそのまま音の出始めに繋がります。しかし、それ以外の多くの奏者は、意味のない(無駄な?)動きが付加されているので、音が遅れるのです。
なぜそのような無駄な動きをしてしまうのかというと、私には思いあたる節があるのですが、この場では言いません。
これはスポーツの運動理論と全く一緒です。
補足:これは上手なプロの演奏者と、一般のアマチュア奏者の違いを強いて書いただけの話です。この合奏団の演奏自体は、とても素晴らしかったですよ。