昨日、あるお客様から修理依頼の連絡がありました。

 今回のコロナ自粛中に楽器をケースに入れっぱなしにしてしてしまい、久しぶりに楽器ケースを開けたらネックが取れてしまっていたとの事です。

 私が一番心配していたトラブルです。

 楽器をケースに入れっぱなしにしていると、どうしてもケース内に湿気が溜まってしまうのです。さらに今年の梅雨は最悪だったので、ケース内の湿度の高さも想像も出来ます。

 さらに弦を張りっぱなしにしていると、弦の張力と湿気と高気温で、徐々に膠が緩くなってしまって、ある時に外れてしまうのです。最悪な場合には、楽器の側板とかが歪んでしまったり、外れた指板で表板を傷つけてしまったりします。

 今回のお客様は、済んだことはしかたないのですが、皆さん、ご自分の楽器をチェックして、弦を緩めておいてください。

 楽器の深刻なトラブルって、希で、他人事と思われている人がほとんどなのですが、私の工房にはそういう方が実際にいらっしゃるのです。現実に起こりうることなのです。

 ご自分の大切な楽器を守れるのは、ご自身だけです。

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