私は、ヴァイオリン系の楽器でしたら、パッと見ただけである程度の品質は想像できます。実際に手に取って重さを確認したり、その作り、現在のセッティングを細かくチェックしたら、音だって完璧とは言えないまでも予想できるのです。

 なぜそんなことが出来るのかと言うと、それは、非常に多くの技術的な「チェックポイント」を理解しているから出来る技なのです。正確に言えば、自分の技術力以下のレベルは、明確に理解できるのです。

 ところが管楽器とか、ギターとか、ピアノとかは瞬時に見極めることが出来ません。ピンとくる「何か」を感じないのです。もちろんそれらの楽器の製作技術も、ヴァイオリンと同じような技術で製作されているので、一般の方よりは判別できると思います。例えば、金属の鑞付けの精度とか、木材の品質とか。表面仕上げや面取り加工の精度などは、一番判りやすいポイントではあります。

 しかし、パッと見て、楽器の雰囲気、品質、状態を感じる事はできません。

 何が言いたいのかというと、私がそれらの楽器に対して「素人」だからなのです。専門家と、素人では、それだけ差があるのです。

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