以前から私は自分が行った行動(作業)とその感覚を、実際に観察したり測定したりして、その感覚のずれを修正してきたつもりです。自分が研いだ刃物の表面を実際に観察したりもしてきました。音響測定などもその一環です。

 自分の感覚と観察とが一致していた場合には、自分の技術や考察の自信につながりますし、その逆にずれが大きい場合には、常に修正、訂正、再考察するわけです。誰との競争でもなく、自分の個人的な話です。

 先日にも、松ヤニを塗るときの摩擦熱を、ようやく計測してみました。もう10年以上前から行おうと思いながら、なかなか実行できないでいた事なのです。

 さて結果ですが、私が想像していたほどは松ヤニ表面の温度は高くなっていませんでした。実際にサーモグラフィー動画で撮影して、瞬間的な温度変化を計測した結果、瞬間的にも30℃前半の温度に収まっていたのです。私はあと10℃くらいは高くなっていると思っていました(瞬間的な温度上昇のはなしです)。

 蛇足になりますが、サーモグラフィーの静止画を撮影するのは簡単なのですが、それでは瞬間的な温度変化を調べる事ができません。そこで結構高度な(実行するためにはお金がかかるのです)動画測定という手法で測定してみました。

 結果、松ヤニの塗り方で、松ヤニが熱劣化して傷んでしまうことはなさそうです。

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