ご自分やお子さんが子供の時に使った分数楽器、または現在お使いのメイン楽器を購入する前に使っていた楽器等、ケースに入れっぱなしにしている楽器は結構あるものです。

 ほとんどは、「まあ、高価な楽器でもないし、使う予定も無いし」って感じで、特に意識もしないで、場合によっては何十年間も入れっぱなしなのです。

 しかし将来、ご自分のお子さんが成長して使うようになるとか、またはお孫さんが使うかもしれないのです。しかし、ケースに入れっぱなしだと傷みます(湿度が高くて膠が劣化してネックが外れたり、指板が剥がれたり、最悪の場合には木食い虫による虫食いで使用不可になります)。

 事実そうして傷んでしまった楽器を、そこそこの修理代金をかけて修理して、再び活用する人も多いのです。しかし、防湿庫に入れておくだけで、傷み方は全く違ってきます(使わない楽器の弦は緩めて置くことがコツです)。結局は得をするのです。

 ちなみに、小さな分数楽器でしたら、防湿庫の奥の壁にフックを取り付けて、そこにぶら下げておくと、邪魔にならずに+1本(すなわち合計4本)保管することも可能です。

 この記事を読まれて、「大げさ」と思われている方がほとんどだと思いますが、いったん使い始めたら、「こんな優れた物、なぜもっと早く導入しなかったのだろう?」と実感すると思いますよ。私も工房開業時からずっと25年間、2台の防湿庫をフル活用していますが、これ無しでは考えられません(楽器以外のカメラ、レンズとかフィルムとか、膠の保管用としても)。

関連記事: