今日は、少し前にヴィオラの弓を購入してくださった方が、今度はヴァイオリンの弓の相談でいらっしゃいました。

 そのお客様は、私の「演奏の理」という考え方に賛同してくださって、「佐々木さんの弓の性能の理論の話を聴いて、今までに感じていた自分の感覚の点と点が、線としてつながった気がする」と感想を述べてくださりました。こういう感想をいただけることは、私としてもとても嬉しい事です。

 そのお客様の感想を要約すると以下の内容になります。
・今まで使っていた弓の性能は、今になって思えば、弓の性能が低かった(弓竿の腰が無かった)。
・それで、無意識にコントロールしようとしていた。
・右手首を曲げて、弓を保持し、いわゆる「ぶら下がりのボウイング」を行っていた。
・結果的に、無意識に右腕の筋肉が硬直してストレスがかかってしまい、演奏すると疲れが生じた。

 しかし、性能の良い弓を購入したことで、
・弓に圧力をかけて良いのだという脳の理解。
・右腕から手首までを一直線(一つながり)にすることで、重力を利用して腕の重さを素直に弓にかける事ができるようになった。
・筋肉が硬直しなくなった事で、ボウイングの運動が素直になった。
・長時間弾いても疲れなくなった。

 単純なことです。弓はコントロールしてはいけないのです。コントロールする事こそが高度なボウイングだと勘違いしている人がほとんどなのですが、実はそれは性能の低い弓を使っている人の特長です。

 まあ、いくら言っても信用してもらえないでしょうが・・・。

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