ヴァイオリンのソロコンサートの映像を4Kで撮影して、それをUHD BDに焼いたものと、今まで通りのBDに焼いたもので比較してみました。

 当然4KのUHDの方が良いのですが、どのようなメリットを感じるのかが自分でも興味のあるポイントでした。

 比較して感じたのは、今まで十分高画質だと思っていたフルHDの画質(あくまでも自分で撮影して、製作した)が、これほどまでに解像感が無かったのかという、ちょっとショッキングな感想でした。

 これはフルHDの”1920×1080″に対して、4Kが”3840×2160″の解像度というだけでなく、フルHDが60iであるのに対して、4Kが60Pという事による効果も大きいのだと思います。また、比較試聴に使ったテレビが4Kテレビだったため、フルHD再生に最適化されているわけではないという要因もあったのかもしれません。

 両ディスクを何度も見比べてみて、一番実感できるのが「弓の動き、指の動きがリアルに見える」という事でした。これは以前、DVDに対して「BDの勧め」で私が主張した感想と全く同じです。弓の馬毛の張り具合とか、弓の圧力の掛け具合とか、または細かなヴィブラートの動きまで見えるのです。

 すなわち、「これまで見えなかったものが見えると、新たな感想が生まれる」という事なのです。見えないものから新たな世界観を生み出すことは不可能だからです。これは高音質レコード(CD)再生でも全く同じですし、楽器においても全く同じです。

 4K UHDのメリットは、解像感が素晴らしいだけでなくて、スロー再生が綺麗に行えるのです。スロー再生において音までは出ませんが、演奏の奏法を研究するのに、最適です。BDで同様の事を行った事に対して、、ビックリするくらい、色々な発見があるのです。

 いずれにせよ、「4K撮影&UHDオーサリング」の実用時代が来たという実感を得ました。今後は、「DVDかBD」の選択ではなく、「BDかUHD BD」を選択する時代です。これは何もメジャーレーベルの商品の話ではなくて、個人(または個人業者)撮影&製作の話です(もちろん、普及度だとか再生互換性の意味で、BDの意味も大きいです)。

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