以前に私の記事で「重力のかかり方」について書いた事があるのですが、オイストラフの演奏(音)を高音質で聴くと、その「重力」と同じような自然な運動を感じる事が出来ます。

 おそらく、それが「理にかなった運動」であり、「理にかなったボウイング」なのだと思います。アポロの宇宙飛行士が、月面で羽根とハンマーを落とす実験をしたことがありますが、あの感じです。

 羽根にも、羽根にもハンマーにも、重力は同じように、自然にかかっていて、手を離すと「ストン」と落ちるのです。アタックをかけて強引に発音しているわけでもなく、その逆に羽根を「そお~っと」押し出しているわけでもありません。

 自然に「ストン」と、発音しています。私がアップロードした、オイストラフ演奏の「春」を聴いてみてください。これは、「理にかなった圧力」から生まれる摩擦力です。

 私が「真の意味での性能の良い弓」と主張し続けているのは、このことです。逆の事も言えて、ペコペコ高級弓を良いと思い込んでいる方々(殆どの方??)って、オイストラフの音をどう感じているのでしょうか? もしかすると、演奏(技法)には大きな興味、向上心があっても、音には興味が無いのかもしれません。だからオーディオ(演奏者としてのオーディオ)の音とかにも、拘りがないのかも・・。

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