先日テレビの音楽番組で、ある有名ヴァイオリニストが知ったかぶりをして、「馬毛のキューティクルで弦を振動させて音が出ている」みたいな説明をしていました。だから、馬毛が古くなるとキューティクルがすり減って摩擦力が減ってしまい、毛替え時となるというのです。

 これって、このヴァイオリニストだけの話ではなくて、よくある「弦楽器の、まかり通っている間違った情報」のひとつです。

 情報って、そのくらいいい加減なものなのです。それに加担しているのが、テレビとか、音楽雑誌です。

 馬毛のキューティクルで摩擦力が生まれていないというのは、何も顕微鏡で観察しなくても、弦楽器を弾いている人ならば中学生にでも推測できる事です。

 もっと客観的な科学的視点(合理的考え方と言った方が正しいかもしれません)をもちながら、弦楽器と付き合うことが必要です。

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