とくにコロナ禍、「楽器をあまり弾いていないので、特に不具合や問題はないと思いますが・・」みたいに思われている方が多いのです。

 しかし、私が久しぶりにいらしたそのお客様の楽器を実際に見ると、楽器を弾いていなくても、調整にいらっしゃらなかった期間相当の不具合が出ていることがほとんどです。具体的には、馬毛や弦の劣化、駒の倒れ(歪み)、駒位置のずれなどです。

 最悪なのは、楽器の破損です。ネックが外れかかっていたのに気がついていなかったり、指板が剥がれていてネックが歪んでいることもそれほど珍しい事では無いのです。

 楽器は弾く頻度に比例して不具合が生じるのでは無くて、期間に比例して不具合や調整の乱れが生じると考えた方がよいです。

 だから例え弾いていなくても、定期的に(半年に一度)、行きつけの楽器店や工房にて調整や点検をする事を強くお勧めします。壊れてしまってからでは遅いのです。

補足:楽器所有者の中には、「自分の楽器の状態は自分できちんと把握している」と思い込んでいる方も多いのですが、自分の楽器だから見えなくなっているという事もあるのです。他人だから客観的に見えてくるものがあるのです。

関連記事: