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 現在、自主制作して工房で販売している「弦楽器製作工程ビデオディスク」をコツコツと作っています。皆さんの中には、「今時、パソコンで簡単に作れるでしょ?」と思われるかもしれませんが、想像するのと実際に行うのとでは、まるで違うのです。この大変さは、実際に行った人にしか分からないでしょうね。

 昨日はケースジャケットの印刷を行ったのですが、これも最初にカラーレーザープリンタ(OKI MLPro9800PS)の色合わせのためのカラープロファイル修正(i1Profiler使用)から始まって、失敗印刷があったり、プリンタが上手く動かなかったり、色々あってようやく印刷が完了しました。しかし次は、その印刷物を一枚一枚丁寧にケースの大きさに切り抜かなければなりません(専門業者のように紙の束をザクッと切り取るカッターなど持っていません)。これだけでも、制作工程のほんの一部です。

1. 撮影&編集(これが最大の手間ですが、これは完了しています)。
2. 生DVD/Blu-rayディスクとケースを専門業者に発注する。
3. カラーレーザープリンタの色調整。
4. ジャケット印刷。
5. ジャケット切り抜き。
6. ジャケットをケースに差し込む作業。
7. デュプリケーターを使ってDVD/Blu-rayディスクをコピーする作業。
8. 抜き打ちで、再生チェック。
9. インクジェットプリンタでディスクの盤面印刷(プリンタに付きっきりで一枚一枚印刷するので、これが結構疲れます。このとき、必ずプリンタのインク詰まりとかトラブルが起きます)。
10. 盤面印刷したディスクを丁寧に並べて乾燥。
11. 完成したディスクをケースに入れる。
12. ケース内に入れる説明書きの両面印刷&半切り&2つ折り作業。
13. ケース内に入れる名刺印刷(これは別の時に既に作って出来上がっていることが多いです)。
13. ケース前面に入れる「開封前の注意書」の印刷&4つ切り作業。
14. 説明書と名刺をケース内に入れて、ケースを閉じる。
15. シュリンク梱包フィルムにケースと開封前の注意書を入れて、フィルムを熱で封をする作業。
16. 温風ヒーターでシュリンクフィルムを収縮させて、ようやくパッケージの完成です。

 このような手間のかかる作業をチマチマと行いながら「弦楽器製作工程ビデオディスク」は出来上がっているのです。このディスクが数千部も売れるのなら制作を業者に発注するのですが、私の所のようなマイナー販売の場合にはどうしても完全自主制作となってしまします。手間を考えると、この販売価格ではまったく採算が取れないのですが、内容(技術の本質)をお伝えしたいための、私の意地なのです。

 遅くなりましたが、これまで購入してくださった方々、どうもありがとうございました。

 

 最後に蛇足になりますが、ビデオディスクの撮影・制作の難しさと手間をよく知っている私ですから言えるのですが、オケとかの演奏会のDVDとかのクオリティが多少低くても文句を言ってはいけません。多くの団体が支払っている程度の料金では贅沢は言えません。業者にとっては撮影機材の償却にもならない程度の、きちきちの料金だと思いますよ。

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