弦は定期的に換えるべきです。中には「切れるまで使い続ける」なんて事を平然という人もいますが、基本的には次の理由から交換します。

1.音質の劣化
 弦は使っている内に伸びてきます。伸びてしまうと、弦の複雑な構造に乱れが生じてしまい、理想的な柔軟性が保てなくなってしまうのです。すなわち硬くなってしまうのです。こうなってしまうと、倍音成分が出なくなってしまって、音が丸く籠もってしまったり、音程感が悪く感じてしまいます。
 また、弦の引っかかり(発音特性)も悪くなってしまいます。

2.巻線の乱れ
 ヴァイオリンの一番線とかを除けば、弦は平巻線でグルグル巻かれています。ところが使っている内にこの巻線が傷んだり、反り返ったり、ほつれたりして乱れてしまうのです。その乱れた巻線が指板だとか、上駒の溝を傷めてしまいます。
 すなわち、弦を適切に交換しないと、楽器が傷んでしまうのです。

 このように、弦の交換にはきちんとした理由がありますから、「まだ使えるのにもったいない」と思わずに、交換してください。結果的に、楽器を長持ちさせることになりますから。

補足:弦の替え時の理由には、上記二点意外にも、「定期点検の機会を作る」とか「演奏時のトラブルのリスクを下げる」などの見えないメリットも存在します。

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