最近の弦(特にピラストロー社の弦)は明るい音が出て人気があります。

 しかしその反面、劣化が激しく、価格もとても高いです。さらに日本の経済が低迷していて、各家庭の台所事情は厳しい方が殆どだと思います。

 そんな理由からなのか、せっかく良い楽器を所有しているのに、弦の交換タイミングが長くなってしまっている方がとても増えていると感じます。

 弦の劣化によって音が悪くなっているだけならまだ良いのですが、巻線が傷んでしまって、それで楽器の指板を削ってしまっているのです。すなわち楽器を傷めてしまっているのです。

 せっかく良い楽器を購入されて、そして日頃の練習も熱心な方が、弦の交換(毛替え)という最低限の調整を渋って、様々なデメリットを被っているのは大きな損だと思います。

 練習だって、劣化した弦ではまともな音程さえも探れなくなってしまいます。逆に、きちんとした楽器と、きちんとした調整(弦の交換なども含む)からは、まるで楽器の方が良い音を導いてくれるような感覚を感じることでしょう。

 良い楽器とは、もう一人の先生なのです。だからお金(修理・メンテナンス代)を渋っていては、良い指導を受けることが出来ないのです。

補足:ここで「弦の交換を・・」と言っているのは、正確な事を書くと「弦の交換のタイミングで、ご自分では気づかなかった適切な修理・調整も施す」という意味です。決して弦だけの事を指しているのではありません事をご注意ください。

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