私の工房のヴィオラのお客様が、演奏会(発表会)の映像を送ってきてくださりました。
この方、もともとはヴァイオリンを弾かれていた(現在も弾いていますが)のですが、何かのきっかけなのかヴィオラを弾くことになり、私の工房でヴィオラと弓を購入されて、ヴィオラの音の素晴らしさの虜になって、最近ではヴィオラの方を弾く機会の方が多いみたいです。
ヴィオラの(本当の)音の魅力を知って頂けて、私も嬉しいのです。
これまでに何度かこの方のヴィオラの演奏の映像を観たことがあるのですが、演奏はもちろんですが、ヴィオラの音が素晴らしいのです。そこで何でこんなに音が良いのが、分析してみました。
もちろん、私がお売りしたヴィオラ弓とヴィオラがとても良い物なので、音が良いのは当然なのです。それは最初から私は理解していますので、それ以外の部分について考えてみました。
色々分析した結論は、「舞台の場慣れ」が大きいのでは? です。
このお客様はアマチュアの方としては多い、ソロ演奏だとかデュオ演奏、またはクァルテット演奏などを行っています。そしてそれらを映像として記録しているのです(だから私も拝見できるのです)。
それで演奏が堂々としているのです。
ビビっていないから、腕が弓にしっかりと乗って、「連続した圧力」を持続できるのです。すなわち、楽器の音がしっかり出ているのです。
舞台にビビってしまうと、どうしても弓をコントロールすることに意識がいってしまい、楽器に圧力を掛けることが出来なくなってしまいます(弓が震えてしまうのです)。圧力が不安定になってしまうことで摩擦力が低下して、音のかすれに繋がります。そうすると、音を出そうとする焦りから、さらに指板寄りを弾くことに繋がります。
「舞台慣れ」、これも立派な演奏技術の一つだと思いました。
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