温暖化の影響だと思いますが、年々気温が上昇しています。真夏でなくても、30度越えの日なんて珍しくなくなりました。
その結果、小さな部屋のアパートでもエアコンが設置され、その熱が都市に蓄熱されて悪循環に陥っています。我々が若い頃のアパートには、エアコンなんて無かったですし、無くても扇風機だけでもどうにか夏を越せたものです。
さて、そんな暑い季節、楽器にとっては厳しい環境となります。特に柔らかめのニスの楽器は、とても注意して扱う必要があります。
柔らかめのニスというと、私はカントゥーシャ作の楽器の話題を多く書いていますが、なにも柔らかめのニスの楽器はカントゥーシャ作だけに限らず、たくさん存在します。
このような楽器は特に暑い夏期にニスがべとつきやすくなり、ケースの跡がついてしまったり、ニスに汚れが付きやすくなってしまうのです。
特に手からの黒い汚れがニスに入り込んで、もう取れなくなってしまっている楽器も多く見受けられます。
黒い汚れは100%手から移っています。すなわち、手を意識的に綺麗に洗ってから楽器を弾くことで、その汚れは付着しなかったのです。
楽器のニスの汚れが酷い方に、「意識的に手を洗って・・」と注意すると、色々と反論されます。「洗っている」とか、「しかたないんです」とか・・・、色々、自分の都合というか言い訳というか。
もちろん、自分の大切な楽器を意識的に雑に扱っている人は一人もいません。だからそういう言い訳を言いたい気持ちもわかります。
ただ、一つだけ言い切れることがあります。
自分の大切な楽器を守れるのは、自分だけだと。