以前私の工房にてヴァイオリン弓も、楽器本体も購入してくださった演奏者の方が、今度はヴィオラ弓の試奏にいらしてくださいました。

 ご自分のヴィオラ弓と現在借りているヴィオラ弓を使っていらっしゃるらしいのですが、「これらのヴィオラ弓は違うな」とのことで試奏にいらっしゃったのです。

 それで私がお勧めしたヴィオラ弓を弾いて直ぐに、「全然違う」との感想を述べられました。

 フロッシュ側からダウンで弾き始めて、弓の中央部にまだ達していない段階で、もう「全然違う」です。時間にしたら2~3秒です。

 弓の性能が何かを理解している人にとっては、弓の性能の違いを実感するのは、このように数秒なのです。

 弓の感覚とか、自分にとっての相性とか、そういうのでは無いのです。もっと根本的な物理性能です。

関連記事: