おそらく、「調整だけで、そんなに音が変わるの?」って、怪しんでいる人も多いと思います。
正解です! そんな安直な、魔法のような調整技術は存在しません。これが答えです。
しかし、現状の音が限界なのかというと、調整によって「激変」する場合もあります。それはどんな楽器なのか?
1.弓の性能が低い場合
現在使っている弓の性能が低い場合(弓の購入価格ではないのです)、物理的に、まともに弾くことは出来ません。楽器の調整以前の問題(限界)なのです。
こういう性能の弓を使っていた方が、まともな弓に買い替えた途端、同じ楽器でも音が激変します。
2.現在の調整が悪い場合
現在の楽器の調整がピンボケの場合、それをまともにすると楽器の音は激変します。それでは「ピンボケ」とは何かと言うと、理にかなっていない調整です。
定期的に調整に出しているからといって、良い調整とも限らないのです。ただし、これはそれぞれの技術者の考え方にもよりますから、ご自分が信頼している楽器店をとことん信頼して、継続的に通ってください。
3.楽器が素晴らしい場合
楽器の造りが素晴らしい場合、上記1.と2.を組み合わせることで、さらに音は変わります。カメラのフォーカスがピタリと合う感じです。
逆の事も言えて、楽器の造りがイマイチの婆には、調整の解が見えずに手こずることも多いです。
こう言うと「またその話か」と、信用してもらえないのでしょうが、私の工房にて1.の後に2.を行って、「自分の楽器からこういう音が出るとは思わなかった」とおっしゃった方は、とても多いのです。
すなわち、皆さんの楽器の現状の音が、限界なのか?、または満足していていいような音なのか? 安易に決めつけるべきではありません。
常に上を目指すべきです。
多くの方は、練習によって良い音が出せるようになると思っていらっしゃるみたいなのですが、練習によって演奏は上達しても、「音」は別問題だったりします。
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