時々、「弦を張り替えて何日後が一番良い音なのですか?」って話になります。

 もちろん、楽器の特長、弦の種類、演奏者の求めるレベルによって答えは違ってきますので、「***日後がベスト」とは言えません。

 ただ、ある程度の傾向はあります。

 例えば、板厚が厚めだとかの重めの楽器は、少し鳴りにくいです。こう言うタイプの楽器の場合には、弦を交換したばかりの方が良い音が出ます。すなわち、弦交換数日後~1ヶ月くらいが旬と言えるのです。私の工房のお客様ではありませんが、あるプロの演奏者が「弦は一ヶ月でダメになる」と言っていましたが、おそらくこのタイプの楽器なのかもしれません。

 逆に、発音が良いタイプの楽器の場合、弦を交換したばかりだと音がギスギスしていて馴染みません。こういう楽器の場合には半月くらいしてようやく馴染んでまともな音になった感じがするのです。

 一方、弦の種類でも結果は大きく異なります。例えばヴァイオリンでよく使うドミナント弦の場合には馴染むのに時間がかかりますし、エヴァピラッツィ弦の場合には旬が早めです。

 ヴァイオリンとヴィオラでも結果は異なります。ヴィオラの方が弦の旬は早めです。なぜならばヴィオラは構造的に音が出にくいのです。だから新しい弦の方が倍音が出て良い音に結びつくのです。

 さらに演奏者の求める音によっても答えは変わってきます。

 弦楽器に一般論はありません。だから常日頃から専門家と会話をして意思の疎通を図り、自分の楽器を理解することが重要なのです。

 調整を依頼するだけではいけないのです。人から「学ぶ」事が大切なのです。

 

関連記事: