先日、「コントラバスのフレンチ弓のボウイング」という記事を書きました。
結論として、「超絶上手な演奏家では、フレンチ弓でも圧をかけて弾くことができる。その証拠は、駒寄りを弾いていることからも推測できる」という内容でした。
それならば、ジャーマン弓ならどうなのか?
正直言って、ジャーマン弓を使っているから、圧をかけて弾くことができるのか?というと、そんな単純な話ではありません。ほとんどのコントラバス奏者は、指板の上を弾いています。それは、理想的な圧を掛けていないという証拠なのです(掛けられないのです)。
これはコントラバスの大きさ、弦の太さ、発音の鈍さ、色々な要因が関係しています。
それでは、超一流のコントラバス奏者の演奏ならどうか?
私が以前にもレコードを紹介したシュトライヒャー氏の動画を観察してみましょう。
もちろん指板の上も弾いていますが、駒寄りも積極的に弾いているのです。これは「理にかなった圧力」を操作できている証拠なのです。
ちなみに、私が考えるジャーマン弓の最大の特徴は、「弓に圧を掛けた時に手首がねじれない(負担が少ない)」という事です。だから弓を「引きやすい」のです。
本来ならば、「腕(手の甲?)を落として、自然な圧がかけられる」というもう一つのメリットもあるのですが、それを知らない人は「弓を引きやすい」というメリットばかり活用して、スピードによるボウイングを行いがちなのです。そうすると自然と指板の上を弾いているのです。
一方、フレンチ弓はフロッシュ寄りでは弓に圧を自然に掛けることができます。しかし、その圧を持続するのがとても難しいのです。だからこちらも、指板寄りをスラスラと弾きがちです。
ちなみに、フレンチ弓のもう一つのメリットは、移弦のしやすさだと思います。
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