私も含め、ほとんどの人は現状を肯定(満足)しようとする本能があります。
弦楽器の音もそうなのですが、オーディオの音(=弦楽器の簡易モデル)でも同じです。
例えば私が以前、Panasonicミラーレスカメラにゼンハイザーのマイクを装着して撮影する事をお勧めしました。そして実際にそのペアで室内楽コンサートを撮影(+録音)したお客様が、その映像を見せてくださったのですが、画質はもとより音質も、全く不満は無いような品質でした。
その後、そのお客様と「外部マイクを使ったらもっと良い音になるのでは?」という話題になり、先日、そのお客様がミラーレスカメラに外部マイクを装着して撮影したのです。
そして両マイクの音を比較してみました。
案の定、差はありました。ただ、テレビで再生するくらいでは差を感じられない差とも言えます。しかしきちんとしたオーディオ装置で再生すると、明らかな差を感じました。
本格的な外部マイク(数万円の商品)の音は素直な音で奥行き(空間)を感じるのに対して、ゼンハイザーの簡易マイクの音はちょっと歪みっぽく、平面的な音に感じました。
ゼンハイザーだけの音を聴いたときには、「十分良い音」と感じが音質が、より上のレベルの音を聴いた途端、「低い品質」と感じてしまったのです。「それまでは気づいていなかった音質の差が見えてきた」と言った方が良いかもしれません。
同じ事は楽器や弓にも当てはまります。階段の一歩上に登った人だけが、その「差」に気づけるのです。
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