以前にも紹介した事のある、このパスキエ氏のコントラバス演奏の映像です。何度見ても素敵です。

 理にかなった自然な圧力が掛かった(掛けた)ボウイングをしているので、弓のスピードがさほど速くないのに、大きな張りのある音が出ているのです。それは一般のコントラバス奏者が指板端の上側を弾いているのに対して、パスキエ氏はもっと駒寄りを弾いていることからも証明できます。

 私が何回も、しつこいほど説明している、「真の意味での性能の高い弓で、圧力を掛けたボウイング」であって、そこから生まれる大きな摩擦力の音なのです。擦れていない音です。

 多くのヴァイオリン演奏者は、コントラバスは別世界の事であって自分とは関係ないと興味が薄い方がほとんどです。しかし、コントラバスの上手な手本は、ヴァイオリン(~チェロ)の教科書と言ってもよいのです。

 なぜならば、「見える」からです。

 皆さん、この映像で音楽を聴くのではなくて、運動を観察しましょう。

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