あくまでも私がテレビのコンサート映像を見ての感想ですが、テレビで放送されるような一流のヴァイオリン奏者でも、まともな性能の弓を使っている人は半数くらいに感じます。

 なぜそう感じるかというと、「弓の毛の張り方」と、それ以上に「弓が安定して運動していないで、はねているから」なのです。この現象はボウイングの映像を冷静に観察すると誰にでも判ることだと思います。もちろん優秀な演奏者なので、テクニックでそれらをカバーしているのですが、私の感想は「その才能が、もったいないなあ」というものです。本当は、彼ら(彼女ら)はもっと凄い演奏者なのに・・・。

 優秀な演奏者が良い楽器や良い弓を持っているとは限らないのです(商品の値段は高いものでしょうが)。

 なぜこんな状況なのかというと、怪しいショップやディーラーが蔓延していることと、それ以上に演奏者が音楽を芸術と勘違いして、自分自身の音の価値観に自信を持ちすぎているからなのです。もっと言えば、科学的(学問的という意味ではありません。それどころか「学問」は役に立ちません)な探求という考え方がないのです。さらに、上手な人ほど自分自身のプライドが邪魔をして、そのような考え方を拒絶しているのでしょう。

関連記事: