私の工房で仕入れて販売している古い楽器の特徴は、見た目がそれほど古さを感じさせないような楽器が多いです。それは、私が新作時の「製作精度(楽器そのものの作りの上手さ)」だけでなく、楽器の健康状態、すなわち「構造的な意味合い」も意識して仕入れているからです。

 従って、見た目はけっこう新しく感じる物が、意識してそうしているわけではないのですが、結果的に多いのです。

 傷や割れがたくさんあって、響板がボコボコ変形しているような、「一般的な古いイメージの楽器」を探していらっしゃる方には、最初は「何か安っぽいような・・・」と感じるかもしれませんが、音を出せば、その意味はわかるはずです。健康的な楽器の音は、通るのです。さらに、「ダイナミックレンジ(小さな音と大きな音との差)」が大きいのです(「楽器の懐の深さ」とも表現されます)。

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