昨日、遠方からわざわざ私の工房にいらして、ヴィオラ弓の説明を聞きに来てくださった方いました。なんと、ヴィオラの方です!とても貴重で、嬉しいものです。
そして説明の後に納得していただいて、いざ弓の購入という段階になって、次のようにおっしゃったのです。
「私の住んでいる所は遠いので、その後の毛替えや楽器のメンテナンスは、地元で行うつもりです」 、と。
それで、申し訳ありませんが、せっかくの弓の購入希望者ですが、(心の中で、泣く泣く)お断りしました。その理由として、「私がお売りしたものは、私が責任もってその後もメンテナンスします」という意味だけでなく、どちらかと言えば次の理由です。
地元の楽器店を便利に思っているのでしたら、その楽器店にお金を落とすべきなのです。大きな金額の商品が売れるということは経営的にとてもありがたいことです。それでその店の経営の助けになり(繁盛している店ならば、さらに)、ささやかではあっても、そのお金が、さらなる技術向上に繋がったり、または新たな商品仕入れに繋がるからです。
大切にしたい店に、どうかお金を落としてください。皆が「おいしいとこ取り」ばかりやっていたら、地味で真面目な店は全てつぶれてしまいます。そして残るのは、(私から言えば)詐欺のようなことを行っている店ばかりになります。それでは、もう国としての末期症状です。
・・・と、かっこいい言葉を書きながら、頭の隅っこには、「ああ、無責任でもいいから、相手が欲しいっていい言っているんだから、売っておけば良かったかな」という自分もいるのです。しかし、それをやり出したら、私はどこまでも落ちていくはずです。
ちなみに、「話しだけでも佐々木さんのところで・・」というのは絶対にお断りします。私はボランティアでこのような事は行っておりませんので。
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