私の工房のお客様で、もうずいぶん工房にいらしていなかった方が久しぶりにいらっしゃいました。その方のお話では、年齢と仕事との色々なしがらみが重なって、もうずいぶんヴァイオリンを弾いていなかったとのことでした。これからも弾ける状態になる予定はないので、大切な楽器を地元のジュニアオケ(正式名は判りません)に寄付するとか。

 それで、「最後のお礼に、綺麗にしてあげてください」との依頼でした。「楽器も弓もアマチュアとしてはそこそこ良い物ですし、誰かに安めにお売りしても良いのでは?」とも思いましたが、自分の大切な楽器だからこそ、そのような地元のジュニアオケで使ってもらいたいという気持ちがあるのかもしれません。

 私も、この楽器が無料の安物だと勘違いされないように、最善の(お金をあまりかけない範囲での)再調整を行ったつもりです。

 誰が使うことになるのでしょうか?良い楽器は、このようにしながら長い間使い続けることができるのです。

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