ここ10年~15年くらいに特に感じているのですが、大学生とかの若い子の弦楽器や音楽演奏への興味が薄くなっているように思います。
弦楽器人口が減っているとか、そういう数の問題と言うよりも、興味の薄さというか、淡泊になっているように感じるのです。例えば、せっかく高校オケとか大学オケで一生懸命音楽活動をしたのに、あっさりと止めてしまう子も多いです。またはせっかく一生懸命演奏活動をしているのに、楽器にお金をかけようとしなかったり(のめり込もうという気持ちが無いのです)。
「クール」と言えば聞こえが良いですが、物事に深入りしようとしない気持ちがはたらいているのか、または本当の魅力を知らないからなのか、いずれにせよこの業界の将来に危機感を感じています。
私が少し思い浮かぶのは、「インターネット社会の弊害」です。今の若者は、クラシック音楽(アイドルとかそっち方面の話は別です)というものは、ネット上に風の様に流れているものだと思っているみたいです。
我々の時代には、「音楽」=「レコード」だったり、「音楽」=「コンサート」だったのです。上質の音楽を聴くために、わざわざ手間とお金をかけて大都市のコンサートホールに出かけるなんて当たり前でした。または自分の好みのレコードを探すのに、これまた秋葉原とかの大型レコード店に出向いて、数千枚のレコードを一生懸命物色したものです。そして、そのレコードをワクワクしながら大切に抱きかかえて家に帰って、ニンマリしながら(冷静を装って、コーヒーでも入れて)、これまたお金をかけて揃えたオーディオセット(ミニコンポとかも)で聴いたものです。
すなわち、「音楽」と「物」が密接に関わっていたのです。これは自分自身の「脳」と「触覚(身体)」が連携した事になります。だから大きな魅力を感じたり、鮮烈な記憶としたりして残るのです。
ところがネット上に流れている音楽から、いったい何が生まれるというのでしょうか? その程度の興味から、将来何に発展するというのでしょうか?
関連記事:
- レコードのジャケットの影響力は大きい
- 切手がたくさん!
- 若い方こそ、アナログレコード再生に挑戦して欲しい
- 昔のLPレコードは、ジャケットの要素も大きかった
- 若い人にとっては、レコードジャケットは「レトロ・ポスター」