本日、極上物のカントゥーシャ作のヴィオラを購入していただけました。予約のお客様のヴィオラだったので、そのお客様の購入の有無が決まらない内には、WEB上でそのヴィオラについて書けなかったのです。

　ほんとうは「こんな良いヴィオラなかなかお目にかかれないので、本物のヴィオラの音を知りたかったら勉強のためにも試奏しにいらしてください！」と、書きたくてウズウズしていたのです。しかし、そのお客様が購入する可能性が高かったので（自分の楽器になるであろう楽器を、他人に弾かれたくはないでしょうから）、グッと発表するのを我慢していたのです。

　結局、そのヴィオラは、そのお客様が購入してくださったので、私が見せびらかす機会もありませんでした。良いヴィオラの音って、多くの皆さんが想像しているのとはちょっと違うと思います。もっと豊かで、もっと発音特性が良いです。さらにカントゥーシャの楽器の場合には（状態や調整にもよりますが）、全音域に渡ってのバランスも素晴らしいのです。

　なぜ私が、そんなに良い楽器を見せたがるのかというと、「これを仕入れられる、または調整できる私の技術って凄いでしょう？　それは技術の論理的な構築がきちんとなされている（筋が通っている）からなのですよ。」という、技術的なアピールでもあるのです。

　何度も書きますが、良いチェロや良いヴィオラって、そうは無いのです。特にヴィオラはサイズも様々なので、希望のサイズの良いヴィオラって、さらに少ないです（40cmとかの小さめでしたら、良い楽器は比較的多いです）。だから今日のヴィオラのお客様が即断したことは、絶対に正解だったと思います。ヴィオラの方ってイマイチ迷ってしまって、良い縁を逃してしまう方も多いですから（その点ヴァイオリンの方は、良い楽器を思い切り購入できる方が多いです）。

　そうそう、私がとても嬉しかったのは、その方、JAEGERのヴィオラケースを注文してくださったのです。ヴィオラのケースは個々のヴィオラの輪郭を型取って発注する特注品なので、時間もお金もかかって、さらに重いのですが、ケースの重要性も知っている方なのです。ケースの本質を知っている方は、良い音、美しい音を出せる人です。

追記：JAEGERヴィオラケースの特注文は、私の工房でヴィオラを購入した方以外からはお受けしません。

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